経営者にとっては、会社の発展が最も重要なこと思われますが、それ以外にも大切なことがあります。それは自分に何かがあった時の対策です。万が一病気や事故で亡くなった場合、会社の経営をどうしていくか考えているでしょうか。実は、生命保険を上手に使えば相続税対策としても活用できるのです。

自社株対策は経営者にとっての課題

経営者は自社株の大部分を持っていることがほとんどです。その経営者が亡くなってしまうと後継者に会社が引き継がれます。引き継ぐ際には株も一緒に渡します。そうすると、自社株の評価額の問題で経営者の家族に高額な相続税が掛かってしまう場合があるのです。相続税は原則で10ヶ月以内に現金で支払わなければいけません。自社株は換金ができないため価値がありませんし、相続税を支払う現金を集める術がなく困難をきたす場合もあるのです。そうした時の対処法としては、「相続税評価額を下げる」方法があります。会社の利益を減らしたり、不動産を購入したりする方法が多く使われていますが、会社の将来を考えた際に、会社の為になっているのかと疑問に思う人も多く、自社株対策をしない会社もあります。しかし、以下のような自社株対策が効果的といわれているため、活用してみましょう。

  1. 死亡退職金を支払う
  2. 配当を引き下げる
  3. 含み損の確定

(1)に関しては、退職金を支払うことで利益額を減らせるため、株価評価を引き下げる事が可能となります。(2)については、引き下げを行うだけで利益を減らすことができるため、株価評価を引き下げられます。(3)に関しては、不動産や株など含み損のある資産を持っているのであれば、売却によりで株価を引き下げることが可能です。(1)~(2)の対策を実行した後に生前贈与をすれば、相続税の節税ができます。

生命保険を法人で契約すれば様々な相続の場面で活用可能

家族や後継者に大きな負担を背負わせないように「ある物」を活用することで、相続税の資金準備が可能になるので紹介していきます。そのある物とは「生命保険」です。生命保険を法人で契約すると、以下の3つの事柄で活用できます。

  1. 死亡退職金の準備が可能となる
  2. 弔慰金の準備が可能となる
  3. 自社株の評価を下げられる

それぞれの詳細を紹介していきます。

(1)死亡退職金の準備が可能となる

経営者が亡くなると、死亡によって退職という形になるので退職金を支払わなければいけません。勤続年数が長いとその分退職金も多くなりますが、生前から何も対策を行っていないとその現金を用意できない可能性もあります。しかし、生命保険を活用することにより生前から準備をしておくことができ、退職金を支払えるようになるでしょう。また、遺族が退職金を受け取る場合には、相続税の対象となりますが、生活保障として相続人1人に対して500万円が非課税となります。そのため、相続税を支払う際にも活用することが可能なのです。

(2)弔慰金の準備が可能となる

経営者が亡くなった時に退職金とは別に弔慰金を支払う場合があります。そのお金に充てることも可能です。業務上の死亡である場合には給与の3年分、業務外の死亡である場合には給与の6ヶ月分であれば、相続税の対象になりません。

(3)自社株の評価を下げられる

経営者が持っている自社株が価値の高いものであると、相続税の支払いも大きくなってしまいます。どのような方法でこの評価額を下げるのかが大きな問題となっています。自社株の相続税評価額を求めるには類似業種比準価額が使われます。「類似業種の株価」「自社配当金」「自社利益」「自社純資産額」、この4つの項目を使用して評価額を求めるのです。そのなかでも「利益」を引き下げることができれば、相続額に大きな変動が表れてきます。法人で生命保険を契約する際に保険料を損金算入していれば、利益を大きく下げられるため、自社株の評価を下げることが可能となるのです。しかし、評価額を下げる効果が表れるのは、保険料を納めた翌期以降となるので注意が必要です。

生命保険を法人で契約することのメリットとは?

生命保険を活用することには様々なメリットがあります。例えばガンを保障してくれる生命保険に加入した際には、解約返戻金を利用することにより様々な資金に充てることも可能となります。会社の従業員の退職金や弔慰金として活用することもできますし、入院した際の見舞金などにも充てることができます。経営状態が悪化した際にも活用できるでしょう。また、自分自身にとってもガンの保障が受けられるので安心です。万が一の時のために生命保険は相続税に関することだけではなく会社にとって様々な保障をしてくれるのです。

以上のように生命保険を活用すれば相続税の節税にも繋げることができます。残された家族のためにも相続についてはしっかりと考えていかなければなりません。どのような保険を契約すれば良いかなどは、顧問の税理士や保険会社に相談すると良いでしょう。