死亡保障が主な目的の生命保険と、遺産相続時に課税される相続税は深い関係にあります。

生命保険を上手く活用すれば相続税対策になりますが、何の考えもなしに保険金を受け取った場合は相続税や他の税金が発生することもあります。
ここでは、「生命保険を使った相続税対策」について解説していきます。

 

 

生命保険を活用すべき理由とは?

 

相続税の節税で生命保険を活用すべき理由としては、生命保険の保険金が全額損金扱いになるためです。税金がかからない対象ということになります。

 

 

生命保険で相続税が節税できる仕組み

 

生命保険で相続税の節税ができる仕組みに関して説明します。

 

まず、相続財産から生命保険料を支払うことにより、相続税の対象となる財産が減ります。

すると相続税額も減ることになるのです。つまり、相続額が基礎控除額の範囲で収まり、非課税となる可能性もありますし、課税対象となったとしても相続税率が低くて済むかもしれません。また、生命保険の受け取り金には、相続税が非課税となる金額の枠が設定されています。非課税となる金額の枠内であれば、税金を払わず相続する財産を受け取ることも可能です。

 

以下のように計算により、生命保険の受け取り金が非課税となる金額が出されます。

 

500万円 × 相続人の数

 

また、基礎控除額の計算は2017年現在以下の通りです。

 

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

基礎控除分に生命保険の非課税枠内での受け取り金が加わることで、相続内の非課税分が増えることになります。

次に、具体的な例を挙げていきましょう。

 

【前提条件】

夫、妻、子供3人(長男、次男、三男)の家族構成。

総資産は:9,900万円

夫の死亡により、法定相続人である妻と子供3人が相続する。

 

 

 

・生命保険を活用しないと

3,000万+600万×4人=5,400万円=基礎控除額

9,900万-5,400万=4,500万⇒相続税率20%

4,500万×20%=900万円=相続税額

 

相続税は900万円になります。

 

・生命保険を活用すると

※総資産9,900万円のうち、2,000万円を生命保険とする。

 

500万円×4人=2000万円を生命保険分。

9,900万円 ― 5,400万円 - 2,000万円=2,500万円⇒相続税率10%

2,500万円×10%=250万円⇒相続税額

 

相続税は250万円になります。

 

その差額はなんと650万円。

節税対策としていかに生命保険が有効が分かりますね。

また、直接的な節税対策とはなりませんが、生命保険は相続税を支払うための準備金にもなります。相続はいつ起こるか分からないものです。しかし、相続が発生したとなると、その10ヶ月後には相続税を納めなければなりません。

税金を納められるだけの十分な財産があれば問題ありませんが、それがない場合が大変です。相続税の分割払いや物納という手段もありますが、分割払いは利息が発生しますし、物納も様々な条件があって、何でもよいという訳ではありません。

そんな時、生命保険の死亡保険金が納税資金として役に立つ場合もあります。

 

相続税がかからない生命保険の種類と入り方

相続税対策として、生命保険ならどんな種類でどんな契約内容であっても有効という訳ではありません。

 

「終身保険」が相続税対策になる

相続税対策を目的とするなら、「終身保険」がよいです。相続税は誰かが亡くなることで発生します。相続税対策として活用するなら、死亡時に保険金が支払われるかどうかが肝心です。

定期保険や養老保険の場合だと、死亡保障が一定期間に限られてしまいます。その一定期間が過ぎれば死亡による保険金は支払われない訳ですから、相続税対策として不向きです。

 

 

死亡保険金が一定である方が望ましい

 

相続税を支払うための資金としての活用も考えるのであれば、死亡保険金が一定である方が望ましいです。定期付終身保険は一生涯の死亡保障が付くものの、一定期間を過ぎれば死亡による保険金は減ってしまう点であまりおすすめはできません。ですから、一生涯に渡り一定の死亡保障が確保できる「終身保険」がおすすめです。

 

 

保険契約者は死亡者に、保険金の受取人は相続人に

 

契約内容で重要なのは、保険の「契約者」「被保険者」「保険金の受取人」が誰になっているかということです。

例えば「契約者」が夫、「被保険者」が夫、「保険金の受取人」が妻ように設定されている場合、妻が受け取った保険金には相続税が適用され、基礎控除や生命保険による非課税枠が適用されるため、余程高額な保険金でない限り、非課税となります。

また、配偶者である妻に対しては、「税額軽減」が適用され、法定相続分までか、もしくはそれ以上であっても1.6億円までなら非課税となります。

 

「保険契約者=死亡者」、「保険金の受取人=相続人」としておけば、ほとんどの場合が相続税を非課税として保険金を受け取れます。

 

一時払い終身保険による相続税対策

一時払い終身保険というのは、保険料を一括で払う終身保険の事を言います。一時払い終身保険が相続税対策に非常に向いている理由としては以下の特徴があります。

 

・一度に大きな資金を移すことができる

一時払い終身保険の大きな特徴の一つが、一度に大きな資産を移すことができる事です。例えば、不動産や預貯金などの相続税の課税対象となる財産を多く持っていると、亡くなってしまった時に相続税が徴収される可能性が高まります。

預貯金が多いのであれば、その一部で一時払い終身保険に加入することで、上記でお伝えした生命保険の非課税分で相続税の課税対象を大幅に下げることが可能となります。
・加入の条件が易しい

通常の終身保険は年齢制限や健康状況などの加入の条件がるのはご存じですよね。その人の状況によっては、入るのが難しいこともあります。ですが、一時払い終身保険には厳しい加入の条件がないことが特徴です。健康診断書の提出が無いことや、年齢制限も80歳までという保険も多いです。

つまり、晩年になり「預貯金が多い!このままでは相続税が・・・」と気付いたとしても一時払い終身保険になら加入できるチャンスが十分にあります。

 

保健の種類などもしっかり把握しておくことで、相続税対策は上手く行うことができます。

ぜひ、ご自身の保健も見直してみてはいかがでしょうか。