生前に相続対策をしているか、していないかで、相続税が大幅に変わってしまう場合があります。
生前に様々な場合を想定し、相続対策を行うことで、残されたご家族によりスムーズに、財産承継していただくことも可能になります。
平成27年1月1日の相続税改正により、今後ますます、生前にできる相続対策を考える方が多くなっていくことが予想されるため、ここでは主な生前にできる相続対策の参考例をご紹介します。

 

 

生前により多くの財産を活用する、活用してもらう

 

自分の子どもや孫などに、生前のうちに財産をあげてしまうことで資産を減らします。そうすることで、相続発生時の財産総額を減らすことができるため、相続税を軽減させる効果が期待できます。贈与は、お互いに「あげる」、「もらう」と相互の意思確認さえできれば大丈夫です。相手は推定相続人だけでなく、兄弟や姉妹、甥や姪、嫁、友人など、ご家族以外の第三者であっても贈与可能となります。

※贈与する金額によっては、贈与税がかかります。ご注意ください。また、毎年定期的に贈与する場合、1回では贈与税がかからない程度の金額であっても、それを証明で切るものが残っていない時は贈与税や相続税が課せられる可能性もあります。

相続人の数を増やす

法定相続人の数を増やすことで、相続税の基礎控除額を増やし相続税額を少なくすることができます。具体的には養子縁組をすることなどです。

ただ、増やせば増やすほど効果があるわけではありません。実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合でも2人までしか、相続税の基礎控除額を増やせないためご注意ください。

 

二次相続を想定し、現在の相続分割方法を決める

仮に今、父親が亡くなり相続が発生したとします。相続人として、母親とお子さん2人がいた場合、母親が遺産を何も相続せず全て2人のお子さんに遺産相続した場合を考えてみます。

その場合、もし次に母親が亡くなったとしても、母親自身で所有していた財産は既に2人のお子さんに相続していますが、父親の遺産を何も相続していない母親の財産は最小限で済みます。
万が一、父親の相続時に、母親が全て相続したら、その次(母親が無くなった際)に、父親の相続財産と母親の相続財産が合わさった遺産に対して相続税が課税されるので、多額になる可能性があります。
また、不動産を所有していた場合、父→母→子へと順々に不動産の名義変更をしたとすると、それぞれ毎回、不動産の名義変更手数料(専門家への報酬や、登録免許税等)がかかります。
父→子へと不動産の名義変更をした場合は、不動産の名義変更手数料は1回分節約できたことになります。

遺産分割対策としての「遺言」

相続対策を考える上で大事なことは、“相続争いを防ぐ”ことです。

仲のよかった家族が遺産分割で対立したために、その後も感情的なしこりが残り、親子兄弟の付き合いがなくなってしまったということが数多く見られます。
また、相続関係が複雑なために、遺産分割の話し合いも出来ないというケースも少なくありません。
このようなことが起こらないようにするには、各相続人の事情を考慮して、遺産の分け方を遺言しておくことです。 そして、なぜ、このような遺言をしたのか、その理由について付記することで遺言者の気持ちが伝わり、無用な争いを避けることができます。
遺言は、今の時代においても、遺言者の“最終の意思”として、最大限に尊重されます。

遺言政策の際のポイント

 

  1. すべての財産を漏れなく記載する
    一部の財産しか書いていなかったり、記載モレがあったりすると、あらためて分割協議をする必要があり、そのことが又、モメる原因にもなりかねません。
    遺言書を書く時は、事前に財産を調べて整理しておくことや、財産を分けやすくしておく等の準備が大切です。
  2. 遺留分に注意する
    遺言書を書くことによって、遺言者の思いに沿った財産の分け方ができますが、忘れてはならないのは「遺留分」です。
    遺留分を無視した遺言書をのこしたために、かえってトラブルになったケースも少なくありませんので、十分な注意が必要です。
  3. 遺言の内容によって、遺言執行者を指定することも必要
    遺言を適正に、そして、確実に実現させたいときには、遺言執行者を指定しておくことが有効です。
    遺言執行者は、遺言を執行するための一切の権限と義務をもっていますので、遺言事項をスムーズに執行させたい場合には、遺言書で遺言執行者を指定しておくことをお勧めします。
    ※発見された遺言書に、「遺言執行者」の指定がない場合には、事後的に家庭裁判所に遺言執行者選任を申立てることもできます。
  4. 納税のことも考えた遺言をする
    財産をのこすときには、税金のことも考えて遺言することが大切です。
    納税資金が不足するときには、現金預金や生命保険も相続させることも必要になるときがあります。
  5. 財産の分け方などについて、遺言者の思いを伝えておく
    遺言は、財産分けのためだけに書くものではありませんが、遺言者の最終の意思として気持ちを伝えることで、より理解を得ることができますし、多少の不満があったとしても、遺言者の意思は尊重されます。

生前にできる相続対策は、上記以外にも様々な方法があります。
所有されている財産の金額や種類、推定相続人の数等によっても、有効な相続対策方法は異なりますので、気になる方はまず、当事務所の無料相談をご利用ください。