現金で生前贈与を行う方も多いでしょう。しかし、現金だと相続人がすぐに財産を使い切ってしまう、もしくは膨大な財産のせいで金銭感覚などが変わってしまうかと不安になる被相続者も多いはずです。その対策として、生命保険の活用がおすすめになります。

生前贈与は生命保険の活用がおすすめ

現金や預金で生前贈与を行ってしまうと、相続人がすぐにお金を使用できる状態となってしまいます。そのため、せっかくの財産を無駄使いしてしまうケースが考えられるでしょう。被相続者としては、死後の相続トラブルや相続人の将来を考えて生前贈与を行う方が多いはずです。しかし、すぐに使われては、将来に必要な財産を残せない可能性があります。生前贈与によって早いうちに財産が使われないためにも、被保険者の死亡後に受取りができる生命保険は無駄使いの心配もなく、将来的な財産を残してあげることができるわけです。生命保険で生前贈与を行う場合、どのような手法があるのかみていきましょう。

まず、生命保険では保険の支払額と期間、さらに受取額や時期、契約者と被保険者、受取人を誰にするかを指定できます。例えば、子が契約者と受取人で被保険者が父親だとすれば、父親が子に贈与する形になります。つまり、父親が亡くなった後に子が保険金を得ることが可能です。また、生命保険では子が契約者で被保険者、そして孫を受取人に指定することもできます。この場合、子の父親が亡くなった時点で贈与がなくなりますが、保険契約は子で継続されているため、孫が受取人になることは可能なのです。

生命保険で生前贈与を行うメリットとは

生前贈与に生命保険を活用するメリットは様々なものがあります。まず、保険での贈与は現金を贈与されるよりも、受け取れる金額が多くなることが大きなメリットといえるでしょう。なぜ受取金額が増えるのかというと、贈与の資産を保険会社が運用し、受け取るための金額を増やすことが可能だからです。以前と比べて運用利率は低いですが、預金口座に預けた金利よりも受取額は多くなるでしょう。利率は保険商品によっても変わりますが、利率が良いほどリスクも大きいため、自分に合った商品を保険会社と相談したうえで選択してください。

また、生前贈与を現金で行った場合、財産の使い方は相続人自身がコントロールします。相続人がまだ若いと、早いうちに財産を使い切ってしまうこともあるでしょう。しかし、生命保険では受取開始を指定することが可能です。一定時期に一括する方法や、ある時期を迎えたら何年間に分割して受け取る方法もあります。このような設定をしておけば、幼い相続人も一定時期を迎えれば定期的に受け取ることができ、被保険者も安心して生前贈与が行えるでしょう。何年間に分けて贈与する場合、年間110万円以下に現金を抑えれば、基礎控除によって贈与税を非課税にすることもできます。しかし、110万円以内でも課税とみなされる場合もあるので、110万円を少し上回って贈与税の負担を軽くする方法が有効です。

そして、相続税の申請と同時に納税が必要になります。しかし、換金性の高い財産を保有していない場合、その資金を確保することは難しいでしょう。場合によっては、不動産の売却が必要になります。しかし、生命保険であれば申請することですぐに受け取ることができるため、相続の際に発生する納税資金としてすぐに活用可能なこともメリットといえます。

生命保険を活用するデメリットはあるのか

生命保険を活用した生前贈与ではメリットばかりなイメージがありますが、デメリットも存在します。生命保険を活用した贈与では贈与を受ける相続人が贈与する資金から保険料を支払います。また、贈与では贈与する被保険者が贈与の意思を示す必要があるのです。その被保険者が贈与不可能となるケースがリスクとして存在します。例えば、途中で考えが変わったり、病気の発症で意思表示が難しくなったり、もしくは途中で亡くなった場合は契約者自身が保険料を負担する必要があるのです。これを回避するためには、支払い可能な期間と保険料を設定する必要があります。

また、被保険者の贈与が得られず契約者が支払いできない場合、生命保険を解約することになります。こうなってしまうと、受け取り予定の保険金を全額受け取ることはできません。その代わり、解約返戻金を受け取ることができます。しかし、この解約返戻金の厄介なところは時期によって金額が変動してしまうことです。そのため、解約したタイミングによっては支払いが完了した保険料の総額よりも低くなってしまう可能性があります。そのため、契約する保険商品は慎重に選ぶようにしましょう。

生前贈与に関する不安も生命保険を活用することで解消することができます。また、工夫次第では贈与税の負担も軽くできるでしょう。しかし、被保険者の贈与が難しくなると契約者の負担が大きくなったり、解約で原本割れしたりするリスクがあります。デメリットも把握して、生命保険を生前贈与に活用してみてください。