個人でアパートやマンションなどの賃貸不動産を所有している人の中には、その賃貸不動産の経営を法人化している人も多くいます。法人化することで様々なメリットがあるのです。そのメリットとは、相続税などの節税効果が挙げられます。不動産での収入が上がるほど、メリットは大きくなっていきます。

不動産の経営を法人化する際の手順とは?




法人を設立するのは、難しいと思われがちですが実は意外と簡単です。早いと1週間程度で会社を設立することができます。そして設立する際には株式会社化共同会社で設立し、相続財産が増えてしまうので被相続人の財産にならないよう、株主は相続人から選択して代表取締役や取締役は妻や子にすることで相続人は全て役員に設定する必要があります。資本金は1000万円を超えてしまうと、設立後の年から消費税の申告をすることになるほか、法人地方税均等割が高くなってしまうので、1000万円よりも低い金額を資本金に設定しましょう。50万円から100万円でも大丈夫です。また、個人で経営していた不動産を法人に譲渡することになりますが、その際には土地は高額になるので建物のみを譲渡します。建物だけを譲渡すれば、個人の土地の上に法人の建物が建てられていることになり、「借地権」が起こります。この借地権の認定課税を受けないためには、「土地の無償返還に関する届け出書」を課税当局に提出すれば良いのです。また、固定資産税の約2.5倍もの金額を地代として支払うことで、使用借地とは別のものと判定されることになります。

法人化によって得られる節税効果とは?

法人化することによって様々な効果が挙げられます。まず、不動産の家賃収入を法人で受け取れるので、その収入を給料という形で役員に支払うことになります。今まで個人で収入を受け取っていた分、役員の妻や子に振り分けることができるので、個人預金の増加防止として役立てることが可能となるため、生前贈与と同じような効果を得ることができます。また、それぞれに振り分けられた役員の報酬は経費となるので法人所得が起こる心配もなく、給与所得の控除を受けられるので税率を下げることが可能となります。注意点としては、1人の役員に報酬を与え過ぎると累進課税方式によって税率が上がることもあるので気を付けなくてはなりません。

もう一つのメリットは、不動産で得た収入について、給料だけではなく保険料を経費として生命保険に充てることもできます。個人では生命保険料の控除額が12万円の上限となっていましたが、法人化になることによって控除に制限がなくなるのです。将来のことを考えて解約返戻金をマンションの修繕資金として貯めておくことも可能となります。また、自身の退職金として貯蓄することもでき、生前退職金にすることで退職所得控除を利用することも可能となるのです。個人が死亡した場合には、相続財産となるので相続税の非課税枠を利用することもできます。

自社株を受け継ぐ際の方法とは?

いずれは相続人に不動産を管理してもらうことになります。経営を安定させるためには自社株の50%以上を相続人が受け継がなければいけません。その受け継ぎ方法について紹介していきます。

①相続人が株式を買い取る方法

相続人が自分でお金を支払って株式を買い取ります。適正価格で買い取っているので遺留分のトラブルなどもないので安心でしょう。ですが、業績が好調であると評価額も高くなるので資金を集めるのに苦労する場合があり、相続人の負担が大きくなってしまうと言うことがデメリットと言えるでしょう。

②生前贈与として受け継ぐ方法

まだ生きている段階で相続人に株式を贈与することもできます。ですが、贈与したとしても遺産としてプラスされるので遺留分が後々トラブルに発展することも考えられるので、生前に他の相続人と話し合っておく必要があります。また、自社株対策として評価額を抑えることも可能なので、有効的な方法と言えるでしょう。後継者は事業をうまく経営するためにも、他の相続人とトラブルにならないように注意することも必要です。

③遺言で株式を受け継ぐ方法

遺言を生前書いておくことで、株式を受け継がせることもできます。遺言には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの種類があります。不備があると無効と判断されたり、証人が必要であったり、裁判所の検認が必要であったりする場合もあるので少し手間が掛かります。事業を受け継がせる場合には「公正証書遺言」が良いでしょう。公正証書なので紛失や無効の心配もありません。ですが、事業の経営が好調である時に受け継ぐ場合、相続税の負担が大きくなることも考えられます。

④対策をしない

対策をしないとなると、遺産を相続人で協議して分割することになります。後継者が必要な分の株式を受け継ぐことができなくなり、事業を継続することが難しくなる場合もあります。相続税額に関しても対策を講じることが難しくなり、後継者には大きな負担がのし掛かります。

不動産を法人化することで相続税を節税できるなどのメリットが多くなりますが、株式を後継者に継承する際に方法を間違えてしまうとトラブルが発生する危険もあるので注意しましょう。