使用していない土地があるのであれば、有効活用しない手はありません。しかし、そうも簡単にいかないのが不動産運用の特徴です。細かな手続きのほか、まとまった初期費用なども伴うケースがほとんどです。新たにマンションなどの建物を建てて、そこから運用を始めるともなれば、なおのことでしょう。しかし、等価交換をうまく活用できれば、少ない負担のもと運用し始めることが可能です。どのような土地が向いているのか、また不動産選びの際、どういった点に注意すべきなのか、特集しました。

等価交換でマンションを建てるメリット

まず何より、特有の仕組みにより土地活用の大きな障壁となる初期費用が軽減されることでしょう。軽減どころか、基本的に不要となるのが等価交換の特徴です。なぜなら、実質として手持ちの土地を一部売却することによって建物を一部手に入れられるといった形であるためです。

具体的には、地主は土地を提供して、建設会社などのディベロッパーは建物を提供し、最終的にできあがったマンション等の不動産を共同保有するシステムです。分割所有するため、運用利益もまた半減する形となりますが、それでも予算に余裕のない人が初期費用なしで土地活用を始められるというのは、嬉しく感じられることでしょう。そうしたメリットから、近年広く注目を集めています。土地はただ持ち続けるだけでも税金がかかってしまうため、節税対策としても有効です。

また、土地の売却を考える場合でも等価交換は魅力的です。なぜなら、一定の条件を満たすことで「立体買い換えの特例」が適用され、譲渡所得税の繰り延べが利用できるためです。普通に売却すれば、譲渡益に応じて大きな税金が課せられてしまうため、利用できるようであれば検討しない手はありません。

条件としては、規制市街地内及びそれに準ずる地域である、その土地と同じ敷地内に建物を建てる、3階以上の耐火または準耐火構造で2分の1以上が住宅になっている、建築後の用途が「自己または親族の居住用」「自己の事業用・賃貸用」「自己と生計を一にする親族の事業用」のいずれかである、そして、取得後は1年以内に事業もしくは居住をおこなうといった内容になっています。これらの条件に当てはまる等価交換をおこなう場合は、交換段階における譲渡益課税がされません。不動産運用で得た利益によって、余裕を持って支払うといった納税の仕方が可能となるでしょう。

またその他、家族と近居できるというメリットも近年注目を集めています。通常、土地活用するともなれば、まとまった初期費用が必要となるため、借金をおこなうのが一般的です。ところが等価交換については、借金することなく運用を始められるため、返済を考えることなく落ち着いて活用することができます。これにより、手に入れられた複数戸のマンション部屋のうち、余ったものを家族に割り当てるという役立て方ができるようになります。利益にこだわり過ぎる必要がないため、充実感重視の活用ができるというわけです。親や子供を呼び寄せて、ゆとりある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。

手間なく遺産分割ができる

遺産分配がしやすくなる点も、等価交換のメリットといえます。遺産相続は、不動産問題のなかでも特に大きなポイントです。というのも、土地や建物は分け方が難しく、平等に分配しにくい存在であるためです。しかし等価交換によって建物の一部を保有できていれば、この問題で困りにくくなります。

たとえば複数戸のマンション空き部屋があるのであれば、それをそのまま分け与えるという方法が利用できます。部屋数という明確な存在で分配できるため、分け方による悩みや平等性に関するいざこざが起こる可能性も抑えられます。分けた部屋は、そのまま住むことも、また賃貸や分譲によって現金化することも可能です。さまざまな活用法の伴う有益な資産相続となることでしょう。

またもう一点、節税に関しても魅力的です。土地をそのまま相続するのでなく、建物を建てたのちに分配する場合、相続税価格が比較的抑えられます。不動産評価額が抑えられるため、課税額も少なくなるといった仕組みです。こちらの面に関しても、有益に感じられるでしょう。

どのような土地にマンションを建てるのが良いのか?

土地運用は、マンションを建てれば終わりというわけではありません。確かに等価交換をおこなえば、基本的に初期費用による出費は不要で建物が手に入りますが、運用はそこからスタートします。いかに入居者が集まって家賃収入が発生するかによって、利益は決められます。

そのため、まずひとつにいえるのが好立地であるということです。住居の人気は、環境や交通面へのアクセス、発展度合いなどによって大きく左右されます。速やかな完売が期待できるような好立地なら、まさに運用向きといえるでしょう。

また、等価交換はディベロッパーと基本半々の形で不動産を持つ形となります。そのため、自身の土地は通常の半分になってしまうわけですから、いかに面積が大きいかも重要となってきます。広大な土地であれば、半分になっても一定の持ち分が期待できるでしょう。大まかには、最低でも100坪以上はある方が良いといわれています。等価交換実施の前に、まずは土地の広さを見直してみてください。

業者選びのポイント

等価交換においては、パートナーとなる建設会社などのディベロッパーがとても重要になります。大きな資産である土地という存在を分け合っているわけですから、信頼できるところでなくては不安が尽きません。たとえば、土地の名義がディベロッパーに移ったり、等価交換をおこなったのちに倒産してしまったりすれば、土地が取り戻せなくなってしまうかもしれません。地主の土地には、抵当権が設定されてしまうためです。

また、そもそも正規のパートナーシップを結ぶ気がない悪徳業者を選んでしまえば元も子もありません。等価交換は、あくまで平等性や信頼性があってこそ実現できる運用方法です。信頼できるディベロッパーをしっかり見極めて、安全な運用をおこなうようにしてください。

見極めのポイントとしては、会社の信用性が分かる情報をチェックするのが有効でしょう。運営年数や沿革、また口コミ情報などを調べるのがおすすめです。また、第三者の不動産に詳しい人にアドバイスを受けながら選ぶという方法もおすすめです。

メリットだけでなくデメリットもあるので注意!

大きなメリットを誇る等価交換ですが、一部デメリットについても注意しておくべきです。たとえば、「立体買い換えの特例」はあくまで繰り延べであり、免税と異なるという点です。免税ならまったくの免除となりますが、繰り延べは結局のところあとから払わなければいけないということです。一定の猶予が得られるため余裕はできますが、その事実は忘れるべきでありません。

また、売買でなく交換をしているため、減価償却が小さくなるという点も注意すべきポイントです。これにより気になるのが、不動産所得税の大きさでしょう。減価償却できない分、経費計上できる額が少なくなるためです。その意味でも、「立体買い換えの特例」は大きなメリットとなります。

等価交換においては、パートナーシップを組むディベロッパー選びがポイントとなってきます。またその他、活用する土地の特徴、注意点の把握も忘れてはなりません。メリット豊富な存在というのは、その分注意すべき部分もつきものです。両面しっかり理解したうえで、理想的な運用を実現してみてください。