贈与契約とは贈与する人が一方的に財産を与えるのではなく、受け取る相手がきちんと受諾しお互いの同意の上有効となる契約です。贈与契約とは一体どのような方法で成立するのでしょうか。

書面で契約を交わさなくても実行できる




「契約」と聞くと書面を作成しハンコを押す儀式が必要だと思われがちですが、贈与契約は口約束でもお互い合意していれば法律上は契約成立したことになります。例えお酒の席であっても、「あなたに100万円贈与します」と言い出して言われた側も「もらいます」という返事をしたらそれだけで成立してしまうのです。しかしこのような口約束は後々「あれは冗談だったんだけど」となるケースが多いのですが、書面で契約していない限りは贈与契約の不履行だと訴えられることはありません。贈与は身近な家族や親しい人に対する好意を表すために行うものなので、「やっぱりなかったことにしてほしい」と申し出ればそれだけで解消できることになります。

贈与契約が書面に残すと拘束力を持つ

贈与契約を書面で交わした場合はどうなるのでしょうか。書面による契約は必ず契約内容を作成した上で署名押印しているので当事者の意思をきちんと明確にする行為となります。ですから後から「言った」「言っていない」などのトラブルを避けることができます。書面契約するということはしっかり意思表示された証が残るわけですから、一方が取り消したいと言い出すことによって相手を裏切る行為になってしまいます。このように書面による贈与契約は、口約束よりもはるかに拘束力を持っているのです。

贈与契約書の書き方について

贈与契約は書面で契約すれば確実に贈与する・したという証拠になります。税務署から贈与契約について問われる心配もなくなるでしょう。では贈与契約書を作成するにあたりどのようなことに注意して書いたらよいのでしょうか。

贈与契約書に書き方はない

贈与契約書には形式や書き方は特に決められていません。書面に残す文章は手書きでもパソコンでも構いませんが、必ず日付・住所は記入し、氏名は自筆が望ましいでしょう。作成した贈与契約書は同じものを2通用意し、贈与者と受贈者がそれぞれ保管しておくようにします。

必ず記載しておくべき5要素

誰が・誰に・いつ・何を・どのようにという5つのポイントを必ず明確に表記します。「誰が」というのは贈与者にあたり、「誰に」は受贈者になります。「いつ」は書面を作成した日ではなく贈与する時期を具体的に、「何を」は贈与する内容や金額、「どうやって」は贈与方法のことを意味しています。この5要素がしっかり記載していないと例え契約書を作成していても認められないこともあるので注意してください。預金を贈与する場合は口座番号などの詳細をきちんと記載しておきましょう。

不動産・家屋を贈与する時のポイント

土地や家屋を贈与する場合は、「登記事項証明書」を取得する必要があります。対象となる土地や家屋などの所有地がしっかり明記された証明書がないと、贈与契約が成立されません。贈与内容として記載する土地や家屋の所在地、建物の種類、構造、床面積などをしっかり明記されていることが大切なのです。具体的に土地や家屋をいつ引き渡し(移転登記)するかも記しておきます。また、金銭贈与の場合は必要ありませんが、土地や家屋を贈与する時は印紙が必要になるので注意しましょう。

贈与契約書は専門家にお任せする方法もある




個人の間で贈与契約をスムーズに行うことができれば問題ありませんが、贈与は法律もからんでくることから贈与契約書を作成したり運用を信託する方法もあります。信託は交渉や法律などの問題を業務としているので利用価値は高くなりますが、個人間での自由なやりとりは認められないので注意が必要です。また贈与する財産を預けるための委託費や管理費など贈与以外の費用が必要になります。ですから費用が不明なまま相談するのは不安でしょうからどのような料金体制になっているのか具体的に調べてから依頼することをおすすめします。

生前贈与をする前に知っておきたいポイント

日本人の寿命は年々増え続けているので、90歳以上まで生きていても珍しくない時代となりました。生前に財産を贈与する場合は計画的に自分の生活が苦しくならない程度にしておくことが大切です。自分が生活していくためのお金や年金などからライフプランを立てて、具体的に必要な金額を把握した上で贈与することをおすすめします。また、贈与方法は贈与した人の口座に振り込み、通帳にいつどのくらいの金額を振り込んだかわかるようにしておくことも大切です。生前贈与をする場合は、3年以内の相続は相続税として計算されるのでなるべく早いうちに行っておく方がよいでしょう。

贈与する際には、名義変更や財産の引き渡しだけでなくトラブルを防止するために贈与契約書を作成しきちんと贈与の約束を証拠として残すことが大切です。親族間だからといって契約書を通さずに贈与してしまうと、相続開始後にトラブルを招くこと可能性が高いので注意が必要です。